中国留学情報

vol.151 有名な大学が良いの?

留学する大学を選ぶとき、
いろんな人がいろんな理由で大学を選びます。

ただその中には正直なところ、
「ちょっと違うんだけどなぁ」
と思ってしまうものもあるわけでして。

その最たるものが、これです。


「有名大学に留学したい」


北京大学、清華大学、復旦大学といった、
いわゆるエリート大学を希望される方が少なくありません。

これ、語学留学先の選び方としては、
実はまったくの間違いです。


「中国語を勉強するので有名大学に留学したい!」
そういう方には一言問いたい。


「東大に留学すれば日本語が上手くなりますか?」



例えば、法律とか経済とか医学とか、
そういった専門科目を学ぶならば話は別です。

北京大学を始め、中国のいわゆる有名大学は、
中国の最高の叡智を結集した大学です。
優秀な研究者が集まり、膨大な経験と知識が蓄積されています。
専門科目を学ぶならば、最高の環境でしょう。


ですが、
北京大学も復旦大学も、語学教育機関ではありません。


日本ではほとんど知られていないことなのですが、
中国の大学の語学留学生部門は、
大学本体とは独立した運営になっています。

「東大のキャンパス内にNOVAがある」
そんな感じにイメージしたほうが実態に合っています。


ですので、清華大学本体はスーパー優秀です。
でも、だからといって、
清華の語学留学部門が、
本体並みに優秀な教員を集めた、
中国トップの語学教育機関というわけではないのです。


偏差値の高い大学に入れば、
語学力が身につくわけではありません。
このことはよく覚えておいて下さい。



「就活に有利」と思っている方もいます。
ですが、それは100%ありえません。


清華や復旦に入学試験を受けて入り、
専門科目を4年間学び、
卒論を書いて卒業資格を得る。
それならば話は別です。

中国最難関の大学に合格し、
最高レベルの大学で4年間勉強し、
卒論が認められて卒業資格を得る。
そりゃ、東大京大並みに評価されるでしょう。


ですが、語学留学で学ぶのは語学です。
就活で評価されるのは、どの大学で学んだかではなく、
結果としてどれだけの中国語を身に付けたかです。
大学名は関係ありません。


さらに言えば、
「語学留学に入学試験はありません」

つまり、入学申請をして学費さえ払えば、
誰でも清華や復旦の学生になれるんです。


無試験で入って、中国語だけ1年学んで、
卒論も何もなしで修了する。
もちろん、卒業資格も何もなし。

それで就活に有利になるほど、
企業の人事担当者は無知じゃありません。

それで有利になるような企業って、
逆にヤバイですよ。笑



「人脈を形成できる」

これはハズレではありません。
優秀な人材と人脈ができる。
それ自体は確かにムダにはならないでしょう。


ただ、復旦の卒業生すべてが成功するわけでもない。
1学年1万人前後いるわけで、
やたら人脈を作ったところで効果は不確実です。

なにより、
人脈とは相手に使ってもらうものであり、
自らが利用するものではありません。

いつか利用できるかもしれないから人脈を作っておこう。
そんなスケベ心丸出しの人に、
私ならば自分から近づこうとは思いません。



いずれにしても、語学留学に関していうと、
有名大学が有利というのは間違いです。



ついでに外国語大学について。


「外国語を学ぶのだから外大が有利」
これも間違いです。


確かに外大本体は外国語教育のノウハウを持っています。
ですが、上の方でも書いたように、
大学本体と留学生部門は独立した組織です。
両者間の学術上のノウハウの交流は皆無です。

これって本当にもったいないんですよね。
私は今まで数百の中国の大学を見てきましたが、
本体との間でノウハウの交流をしている大学は、
一度も見たことがありません。

ですので、外大だから中国語教育が上手い、
というのは実は事実とは異なるんです。



また、
「外大は日本語を学ぶ学生が多いので、
互相学習の相手を確保しやすい。」

これも一概には言えません。


例えば、
大連外国語学院、上海外国語大学。

確かに日本語学科はあります。
大連外大の日本語学科とか全国的に有名です。


ところが、
両校の日本語学科とも、
郊外の新キャンパスにあります。

留学生が学ぶ市内の旧キャンパスからは、
バスや地下鉄で2時間前後かかります。
実は、非常に互相学習をやりにくい大学なんです。




「有名大学」
「外国語大学」

確かに記号としては分かりやすい。


でもね、
大学選びで手抜きしたらダメなんです。
分かりやすいラベルで選んじゃダメなんです。

有名大だからといって、
中国語の教員が優秀ってわけではありません。

外大だからといって、
互相学習がしやすいわけでもありません。



うわべで選んではダメです。
安易にラベルで選んだら失敗します。

うわべではなく本質を見る。
大学名ではなく内容を見る。

それが大学選びです。



------------------------------------------------------------
【今週のまとめ】
1) 有名大学だから良いわけではない
2) 互相をしにくい外国語大学もある
3) うわべではなく本質で大学を選ぶべし
------------------------------------------------------------


→ 次へ:目的と条件の明確化
← 前へ:北京語は標準語ではありません
→ 大学選びの秘訣:目次に戻る
→ 中国留学ゼミナール 目次に戻る

→ 「中国留学情報」トップページへ

留学お手続き代行

中国語が話せない、手続きの仕方がよく分からない、大学に連絡が取れないといった方のために、「中国留学情報」では留学お手続きの代行を行っております。お手続きの流れ、費用についてはこちらのページをご参照ください。お手続きのお申込み、中国の大学についてのご質問などは下記メールフォームからお気軽にご連絡ください。

ご質問・お問合せ

中国留学や大学についてのご質問、留学お手続きのお申込みなど、下記メールフォームからお気軽にお問合せください。土日祝日も含め24時間いつでもご送信いただけます!

ご本名
ご職業
中国語レベル
中国語学習歴
メールアドレス
お問合せ内容

※うまく送信できない場合はメールアドレス「lianxi@liuxue998.com」からご連絡ください。

大学を選ぶ

留学手続きサポート